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「Interface」 2004年12月号
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FATファイル・システムの電源障害耐性
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では,これまでの経験を実際のFATファイル・システムに適用した場合を説明します.
FAT(File Allocation Table)は,マイクロソフト社の標準ファイル・システムの一つであり,
組み込みシステムではたいへん広く使われています.記憶デバイスの連続した複数のセクタを一つのクラスタとしてとらえ,クラスタ単位でアクセスします.
クラスタそれぞれにユニークな番号が割り振られています.
図5にFATファイル・システムのデータ配置の例を示します.一つのクラスタに複数のディレクトリ・エントリが配置されています.
ディレクトリ・エントリに,ファイル名称,リンク情報(開始クラスタ番号),ファイル・サイズなどが格納されます.図5において,エDIR1エFILE1へのアクセスは
以下の通りです.
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まずルート・ディレクトリの領域からDIR1のディレクトリ・エントリを探し出します |
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DIR1ディレクトリ・エントリに格納されているリンク情報(#10)に基づき,クラスタ#10からFILE1のディレクトリ・エントリを探し出します |
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FILE1ディレクトリ・エントリには,リンク情報として#100が格納されています.
クラスタ#100には,FILE1のデータの一部が格納されています.
図5に示している例では,これのほかにもクラスタ#102にデータが書かれています.
クラスタ#102が#100につながっていることは,FATと呼ばれるテーブルに記録されています.
FATエントリ#100には102が書かれています.
この例では,クラスタ#102以降にデータが存在しないため,ENDマークがFATエントリ#102に記録されています |
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